知っておきたい 『市販の薬』

イアトリズム総合案内
一般用医薬品

ニコチネル パッチ 10

リスク区分
第一類医薬品

製品の特徴

タバコをやめたい人のための医薬品です。禁煙時のイライラ・集中困難などの症状を緩和し、禁煙を成功に導くことを目的とした禁煙補助薬です(タバコを嫌いにさせる作用はありません)。1日1回貼るだけの簡単な使用方法で、あなたの禁煙をサポートします。シンプルな2ステップの禁煙プログラムにより、約2ヵ月で、あなたを無理のない禁煙へと導きます。独自の経皮吸収治療システムにより、禁煙に必要なレベルのニコチンを安定して皮ふへ放出します。

使用上の注意

してはいけないこと

(守らないと現在の症状が悪化したり、副作用が起こりやすくなります)
  1. 次の人は使用しないでください。
    1. 非喫煙者(タバコを吸ったことのない人及び現在タバコを吸っていない人)(はきけ、腹痛、めまいなどの症状があらわれることがあります)
    2. 他のニコチンを含有する製剤を使用している人
    3. 妊婦又は妊娠していると思われる人
    4. 授乳中の人(乳汁中への移行が認められています)
    5. 重い心臓病を有する人
      1)3ヵ月以内に心筋梗塞の発作を起こした人、2)重い狭心症と医師に診断された人、3)重い不整脈と医師に診断された人
    6. 急性期脳血管障害(脳梗塞、脳出血等)と医師に診断された人
    7. うつ病と診断されたことのある人(禁煙時の離脱症状により、うつ症状を悪化させることがあります)
    8. 本剤の成分によるアレルギー症状(例えば、発疹・発赤、かゆみ、はれ等)を起こしたことがある人
  2. 次の部位には使用しないでください。
    湿疹、かぶれ、傷口
  3. 本剤を一度に2枚以上使用しないでください。
  4. 本剤を使用中及び使用直後は、次のことはしないでください。(はきけ、腹痛、めまいなどの症状があらわれることがあります)
    1. ニコチンガム製剤の使用
    2. 喫煙
  5. 本剤を使用中は、サウナの使用や激しい運動はしないでください。(はきけ、腹痛、めまいなどの症状があらわれることがあります)

相談すること

  1. 次の人は使用前に医師又は薬剤師に相談してください。
    1. 医師の治療を受けている人
    2. 他の薬を使用している人(他のの作用に影響を与えることがあります)
    3. 本人又は家族がアレルギー体質の人
    4. 薬によりアレルギー症状(例えば、発疹・発赤、かゆみ、はれ等)を起こしたことがある人
    5. 高齢者及び20才未満の人
    6. 次の診断を受けた人
      心臓病(心筋梗塞、狭心症、不整脈、心不全等)、胃・十二指腸潰瘍、高血圧、肝臓病、腎臓病、糖尿病(インスリン製剤を使用している人)、甲状腺機能亢進症、褐色細胞腫、脳血管障害(脳梗塞、脳出血等)、末梢血管障害(バージャー病等)、全身性皮ふ疾患(アトピー性皮ふ炎、湿疹性皮ふ炎)、てんかん、神経筋接合部疾患(重症筋無力症、イートン・ランバート症候群)
    7. 発熱のある人(ニコチンの吸収量が増加し、過量摂取になる可能性があります)
  2. 次の場合は、直ちに本剤をはがし、石鹸などを使用せずに、皮ふ表面を水で洗い乾燥させてください。それでも症状が続く場合は、この説明文書を持って医師又は薬剤師に相談してください。
    1. 使用後、次の症状があらわれた場合
      関係部位症状
      皮ふ発疹・発赤、かぶれ、かゆみ、じんましん、水泡、はれ、色素沈着、痛み、ヒリヒリ感、熱感、皮ふのはがれ、フケの増加
      精神神経系不眠、頭痛、めまい、しびれ、悪夢、疲労感、眠気、集中困難、情緒不安定、手足のふるえ、神経過敏、感覚障害
      消化器悪心・嘔吐、腹痛、胸やけ、食欲不振、消化不良、便秘、下痢、口内炎
      肝臓全身のだるさ、皮ふや白目が黄色くなる
      循環器動悸、血圧の上昇、胸苦しさ
      自律神経系口のかわき、ほてり、多汗、だ液の増加、顔が青白くなる
      呼吸器系せき、息苦しさ、のどの違和感
      筋・骨格系筋肉痛、肩こり、背中の痛み
      その他口中の苦味、味覚異常、耳鳴り、疼痛、ニコチン臭、不快感、胸の痛み、寒気、むくみ、脱力
    2. まれに下記の重篤な症状が起こることがあります。その場合は直ちに医師の診療を受けてください。
      症状の名称症 状
      ショック(アナフィラキシー)使用後すぐにじんましん、浮腫、胸苦しさ等とともに、顔色が青白くなり、手足が冷たくなり、冷や汗、息苦しさ等があらわれる。
  3. 次の人は過重摂取になる可能性があります。下記の症状があらわれた場合は、直ちに本剤をはがし、石鹸などを使用せずに、皮ふ表面を水で洗い乾燥させ、医師又は薬剤師に相談してください。
    1. 過量摂取になる可能性がある人(一般の人に比べて血中濃度が高くなりやすい人)
      1)ニコチン代謝(解毒)酵素活性の低い人(日本人ではニコチンを代謝(解毒)する酵素の能力が低い人が約10人に1人存在することが知られています)
      2)喫煙本数が少なく、タバコへの依存度の低い人
      3)タバコの煙を深く吸い込まず、ふかすことが多い人
      4)小柄な人ややせている人
    2. 過量摂取になると起こる症状(急性ニコチン中毒の可能性があります)
      悪心・嘔吐、下痢、はげしい腹痛、よだれ、顔が青白くなる、頭痛、発汗、めまい、手足のふるえ、けいれん、聴覚障害、視覚障害、神経障害、錯乱、全身の脱力、息苦しさ
  4. 次の場合は、使用を中止し、医師又は薬剤師に相談してください。
    1週間使用しても、タバコの本数が全く減らない場合や、禁煙当初のイライラ、不安、集中困難などの症状が軽くならず、禁煙が続けられない場合。

効能・効果

禁煙時のイライラ・集中困難・落ち着かないなどの症状の緩和

成分・分量

ニコチネルパッチ20(20平方センチメートル):ニコチン35mg
ニコチネルパッチ10(10平方センチメートル):ニコチン17.5mg
添加物:アミノアルキルメタクリレートコポリマーE、中鎖脂肪酸トリグリセリド、その他1成分

保管及び取扱い上の注意

  1. 直射日光の当たらない涼しい所に保管してください。
  2. 小児の手の届かない所に保管してください。
  3. 他の人に譲り渡さないでください。
  4. 使用期限のすぎたものは使用しないでください。
  5. 使用するまでは、袋を開けずに保管してください。誤って袋を開封した場合は、袋の口をテープなどでしっかり閉め、小児の手の届かない所に保管してください。また、使用期限内であっても開封後は、1ヵ月以内に使用してください。(開封してしまったものは、品質の低下が速くなります)
  6. 使用後廃棄する場合は、粘着面を内側にして、2つに折り、小児の手の届かない所に捨ててください。
  7. 本剤は、使用前後ともに小児にとっては相当量のニコチンを含有していますので、重度の中毒症状を生じ、死亡にいたるおそれもあります。未使用及び使用済みの薬剤はいずれも、絶対に小児の手に入ることのないように、取り扱い及び廃棄には注意してください。
  8. 万一、小児が薬剤を飲み込んだ場合には、無理に吐かせようとしてぬるま湯や牛乳などを飲ませようとせず、直ちに医師の診療を受けてください。(ニコチンを溶解し吸収させやすくなり、腸からの吸収を促進させることがあります)
  9. 小児が薬剤を口に入れた場合はすぐに取り出してください。(袋の上からであれば、体内にニコチンが摂取される危険は低いですが、必要に応じて医師の診療を受けてください)

用法・用量

最初の6週間はニコチネルパッチ20を1日1回、1枚を起床時から就寝時まで貼付し、次の2週間はニコチネルパッチ10を1日1回、1枚を起床時から就寝時まで貼付してください。禁煙によるイライラなどの症状がなくなり、禁煙を続ける意志が強く、禁煙を続けられる自信がある場合には、6週間のニコチネルパッチ20を使用後、7週目以降のニコチネルパッチ10を使用せずに、本剤の使用を中止してもかまいません。貼付する場所は上腕部、腹部あるいは腰背部に毎日場所を変えて貼付してください。

用法・用量に関する注意

  1. 定められた用法・用量を厳守してください。
  2. 本剤を一度に2枚以上使用しないでください。
  3. 本剤を切り分けて使用しないでください。
  4. 連続して8週間を超えて使用しないでください。
  5. 次の検査及び治療を受けるときは、本剤をはがしてください。(貼付部位にやけどを生じるおそれがあります)
    1. MRI
    2. ジアテルミー(高周波療法)
    3. 電気的除細動(AED等)

使い方

  1. 袋をハサミで切り、薬剤を取り出す。
    この袋は、小児が容易に取り出せない特殊な包装になっていますので、裏面の点線に沿って、貼付剤を傷つけないようハサミで切り、薬剤を取り出してください。
  2. 薬剤をとりやすくする。
    アルミシートの小さいほうを注意して手で切り取ります。
  3. シートから薬剤ははがす。
    アルミシートをゆっくりとはがします。丸いほうが薬剤です。
  4. 体に貼り、押さえる。
    肌にシワができないように伸ばして貼ります。薬のフチが浮かないように10秒くらい手のひらで、指先でしっかり押さえます。

貼る時の注意

左右の上腕部、腹部、腰背部のいずれかに貼付してください。
  1. 皮ふへの刺激を避けるため、毎日に場所を変えて貼付してください。繰り返し同じところには貼付しないでください。
  2. 傷や皮ふ病がある場所、またはベルトラインや体毛の濃い部分は避けて貼付してください。
  3. 添付する場所がぬれているときは、タオルなどでよく拭いて乾燥させてから貼付してください。

製薬会社

日本ヘルス