医療用医薬品成分
タダラフィル
解説
『タダラフィル』は、血圧の薬、鎮痛剤、男性の薬 に用いられる医薬品成分です。
作用
陰茎海綿体にあるホスホジエステラーゼ‐タイプ5(PDE‐5)という勃起を萎えさせる酵素の働きを抑える作用があり、細胞外から細胞内へのカルシウムイオンの流入が抑制されるとともに、セカンドメッセンジャー(細胞内情報伝達物質)であるサイクリックAMP(環状アデノシン一リン酸)やサイクリックGMP(環状グアノシン一リン酸)の分解が抑制されてそれらの量が増加し、ミオシンやアクチンを動かすミオシン軽鎖キナーゼをリン酸化するため、陰茎海綿体の平滑筋が弛緩して血流が良くなり、勃起を誘発または増強する効果を示します。また肺血管の平滑筋に作用すると、血管が弛緩して肺動脈圧と肺血管抵抗が低下するため、肺動脈性の高血圧症の地用にも用いられています。この成分は服用後36時間まで勃起機能改善効果が認められています。
使用上の注意
[使用してはいけない場合]
タダラフィル過敏症、硝酸剤使用者、一酸化窒素供与剤使用者、重度肝機能障害、心血管系障害、不安狭心症、不整脈、重度低血圧、重度高血圧、心筋梗塞発症後3ヵ月以内、脳梗塞発症後6か月以内、脳出血発症後6ヵ月以内、網膜色素変性症、重度腎機能障害、イトラコナゾール使用者、リトナビル使用者、インジナビル使用者、アタザナビル使用者、ネルフィナビル使用者、サキナビル使用者、ダルナビル使用者、クラリスロマイシン使用者、テリスロマイシン使用者、リファンピシン長期使用者、フェニトイン長期使用者、カルバマゼピン長期使用者、フェノバルビタール長期使用者
[慎重に使用すべき場合]
陰茎の器質的異常、持続勃起症、勃起不全治療薬使用者、出血性疾患、消化性潰瘍、高齢者、肝機能障害、α遮断薬使用者
副作用
背部痛、心筋梗塞、脳梗塞、感覚鈍麻、過敏症(発疹、じんましん、顔面浮腫、剥脱性皮膚炎など)、頭痛、めまい、紅潮、消化不良、吐き気、下痢、腹痛、四肢痛、色視症(青・黄症など)、霧視、錯感覚、片頭痛、低血圧、失神、ほてり、嘔吐、便秘、胃炎、鼻出血、せき、呼吸困難、かゆみ、紅斑、多汗、浮腫、疲労、胸痛、動悸、不眠、食不振、心不全、高血圧、頻脈、口内炎、鼓腸、抑うつ、肝機能障害、関節痛、筋肉痛、月経過多、貧血、皮膚炎、足のむくみ、腹部不快感、咽喉頭炎、鼻炎、眼充血、白内障、結膜炎、眼痛、複視、視野欠損、発熱、倦怠感、ヘモグロビン減少、リンパ球減少、体重減少、不整脈、無気力、記憶力低下、興奮、胃痛、胃部膨満感、口唇の乾燥、鼻づまり、副鼻腔炎、陰茎の疼痛、半勃起状態の持続、射精障害、疲労感、血中尿酸値の上昇、尿蛋白・尿糖の陽性反応、眼の異常感、逆流性食道炎、腎機能障害、無力症、体重増加
重大な副作用
皮膚粘膜眼症候群(スティーブンス・ジョンソン症候群)