医療用医薬品成分
クロザピン
解説
『クロザピン』は、精神の薬 に用いられる医薬品成分です。
作用
ドーパミンのD4受容体とセロトニンの5‐HT2受容体と結合して働きを抑制する作用があるため、中枢神経の興奮を抑えて精神症状を安定させ、統合失調症の陽性症状と陰性症状を改善する効果を示します。この成分は従来の統合失調症治療薬の成分とは違ってドーパミンD2受容体との親和性が弱いため、従来の成分に対し抵抗性のある者や効果が十分得られなかった者に処方されています。
使用上の注意
[使用してはいけない場合]
クロザピン過敏症、白血球数4000/㎣未満、好中球数2000㎣未満、無顆粒球症の既往、重度好中球減少症の既往、骨髄機能障害、放射線療法、化学療法、特効性抗精神病剤使用者、重度痙攣性疾患、アルコール中毒、薬物中毒、昏睡状態、循環虚脱状態、中枢神経抑制状態、重度心疾患、重度腎機能障害、重度肝機能障害、麻痺性イレウス、アドレナリン作動薬使用者
[慎重に使用すべき場合]
糖尿病、糖尿病の既往、好中球減少症の既往、痙攣性疾患、痙攣性疾患の既往、心疾患、血管疾患、低血圧、腎機能障害、肝機能障害、前立腺肥大、閉塞隅角緑内障、アルコール依存症、薬物依存症、薬物乱用の既往、高齢者
副作用
体重減少、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、せん妄、焦燥、興奮、消化不良、尿失禁、発熱、発汗調節障害、体温調節障害、アカシジア、口の渇き、倦怠感
重大な副作用
麻痺性イレウス、過敏症状(発疹など)、悪性症候群、遅発性ジスキネジア(口周囲の不随意運動)、無顆粒球症、好中球減少、白血球減少、心筋炎、心筋症、心膜炎、心嚢液貯留、高血糖、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡、てんかん発作、けいれん、ミオクローヌス発作、起立性低血圧、失神、循環虚脱、肺塞栓症、深部静脈血栓症、劇症肝炎、肝炎、胆汁うっ滞黄疸、腸閉塞、傾眠、吐き気、嘔吐、流涎、便秘、頻脈、振戦、体重増加、精神障害(錯乱、不安など)、頭痛、吃音、めまい