医療用医薬品成分
塩酸ミノサイクリン
解説
『塩酸ミノサイクリン』は、感染症などの薬、抗生物質 に用いられる医薬品成分です。
作用
テトラサイクリン系の抗生物質で、細菌の成育に必要なタンパク質合成を阻害して細菌増殖を抑制する効果があります。主にブドウ球菌・連鎖球菌・肺炎球菌・大腸菌・インフルエンザ菌・淋菌・リケッチア・クラミジア・マイコプラズマ・梅毒スピロヘータ・アメーバ原虫などに効力を示すため、呼吸器・泌尿器・生殖器・消化器・皮膚・耳鼻・歯科などの感染症に幅広く用いられます。従来のテトラサイクリンより抗菌力が１～４倍ほど強く、耐性菌が少ないのが特徴で、正式な適応症ではないもののリウマチの治療に応用されることがあります。
使用上の注意
［使用してはいけない場合］
塩酸ミノサイクリン過敏症、テトラサイクリン系薬剤過敏症
［慎重に使用すべき場合］
肝機能障害、腎機能障害、食道通過障害、妊婦
副作用
肝機能障害、血液障害、ビタミンB欠乏症、ビタミンK欠乏症、ショック症状(体の機能が著しく低下し、生命が危険になる状態)、膵炎、出血性腸炎、偽膜性大腸炎、けいれん、黄疸、胃腸障害、舌炎、倦怠感、頭痛、エナメル質形成不全、骨発育不全、食欲不振、吐き気、嘔吐、腹痛、口内炎、頭重感、色素沈着(皮膚の一部が変色する)
重大な副作用
皮膚粘膜眼症候群(スティーブンス・ジョンソン症候群)、間質性腎炎、間質性肺炎、肝機能障害、肝不全、急性腎不全、紅皮症、呼吸困難、全身性エリテマトーデス様症状、中毒性表皮壊死症、薬剤性過敏症症候群、過敏症状(発疹、かゆみなどのアレルギー症状)、下痢、口内の異常(口渇、痛み、ただれなど)、めまい、耳鳴り、頻繁な便意、喘鳴(呼吸のたびにのどをゼイゼイ・ヒューヒューさせる)