医療用医薬品成分
塩酸パパベリン
解説
『塩酸パパベリン』は、循環器系の薬、神経の薬 に用いられる医薬品成分です。
作用
環状リン酸ジエステルを分解するホスホジエステラーゼの働きを阻害する作用があり、細胞外から細胞内へのカルシウムイオンの流入が抑制されるとともに、セカンドメッセンジャー(細胞内情報伝達物質)であるサイクリックAMP(環状アデノシン一リン酸)やサイクリックGMP(環状グアノシン一リン酸)の分解が抑制されて増加し、ミオシンやアクチンを動かすミオシン軽鎖キナーゼをリン酸化するため、平滑筋が弛緩します。この成分は内臓筋の異常な緊張や痙攣を抑えたり、血管を弛緩させて血流を良くする効果があるため、主に胃炎・胆道系疾患に伴う痙攣や痛み、急性動脈塞栓、末梢循環障害、冠循環障害などに用いられていますが、より効果的な成分が開発されたこともあり使用されることは少なくなっています。
使用上の注意
[使用してはいけない場合]
塩酸パパベリン過敏症
[慎重に使用すべき場合]
緑内障、妊婦
副作用
過敏症(発疹)、動悸、血圧上昇、めまい、ねむけ、頭痛、便秘、口の渇き、食欲不振、みぞおちの痛み、顔面紅潮、発汗