知っておきたい 『病院の薬』

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医療用医薬品成分

塩酸トラマドール・アセトアミノフェン

解説

『塩酸トラマドール・アセトアミノフェン』は、鎮痛剤 に用いられる医薬品成分です。

作用

がん性疼痛に使用されていた鎮痛剤であるトラマドールと解熱鎮痛剤として広く使われているアセトアミノフェンを配合した成分で、高い鎮痛効果があるため一般的な鎮痛剤で効果が認められなかった癌以外の痛みを和らげます。トラマドールは中枢および末梢神経系に広く分布するオピオイドμ受容体と結合し、神経伝達物質であるノルアドレナリンとセロトニンの両方の再取り込みを阻害するとともに下行性痛覚抑制系を活性化し鎮痛効果を示します。またアセトアミノフェンは体温調節中枢に作用して熱を下げるとともに、痛覚中枢に作用して痛みの感受性を低下させる効果があるため、様々な疾患に対し鎮痛効果を示します。

使用上の注意

[使用してはいけない場合]

アルコール中毒、睡眠剤中毒、鎮痛剤中毒、オピオイド鎮痛剤中毒、向精神薬中毒、モノアミン酸化酵素阻害剤使用者、モノアミン酸化酵素阻害剤使用中止後14日以内、消化性潰瘍、重度血液異常、重度肝機能障害、重度腎機能障害、重度心機能不全、アスピリン喘息、アスピリン喘息の既往、塩酸トラマドール・アセトアミノフェン過敏症

[慎重に使用すべき場合]

オピオイド鎮痛剤使用者、痙攣性疾患、痙攣性疾患の既往、呼吸抑制、脳の器質的異常、薬物依存症、オピオイド鎮痛剤過敏症、ショック状態、肝機能障害、肝機能障害の既往、腎機能障害、腎機能障害の既往、消化性潰瘍の既往、血液異常、血液異常の既往、出血傾向、心機能異常、気管支喘息、過度のアルコール摂取、グルタチオン欠乏、脱水状態、高齢者

副作用

傾眠、浮動性めまい、頭痛、悪心、嘔吐、便秘、胃部不快感、味覚異常、食欲不振、貧血、掻痒感、口内炎、口内乾燥、倦怠感

重大な副作用

ショック、アナフィラキシー様症状、痙攣、意識消失、依存性、中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群(スティーブンス・ジョンソン症候群)、喘息発作の誘発、肝機能障害、黄疸、顆粒球減少、急性汎発性発疹性膿疱症、間質性肺炎、間質性腎炎、急性腎不全

本成分を用いた医薬品

[先発医薬品]

トラムセット配合