医療用医薬品成分
塩酸アトモキセチン
解説
『塩酸アトモキセチン』は、精神の薬 に用いられる医薬品成分です。
作用
注意や行動の制御・調節を行っている前頭前野(特に連合野)領域の脳神経細胞のノルアドレナリン再取込みを強力に阻害する作用があるため、前頭前野の機能を抑制して注意の欠如や落ち着きのなさを改善する効果を示します。そのため、小児期(6歳~18歳)の注意欠陥多動性障害(ADHD)の治療薬として用いられています。
使用上の注意
[使用してはいけない場合]
塩酸アトモキセチン過敏症、MAO阻害剤使用者、MAO阻害剤使用後2週間以内、閉塞隅角緑内障、褐色細胞腫、褐色細胞腫の既往、重度心血管障害
[慎重に使用すべき場合]
肝機能障害、腎機能障害、痙攣発作、痙攣発作の既往、心臓の器質的異常、心疾患、高血圧、脳血管障害、起立性低血圧、起立性低血圧の既往、精神病性障害、双極性障害、排尿困難
副作用
腹痛、不眠、不安、神経過敏、頭痛、めまい、食欲不振、吐き気、嘔吐、便秘、のどの渇き、下痢、動悸、血圧の異常、発汗、頻尿、ねむけ、だるさ、脳動脈炎、脳血管障害(脳梗塞、脳出血など)、狭心症、視力調節障害、剥奪性皮膚炎、悪性症候群、耳鼻咽喉感染症、麦粒腫、血液障害、せき、関節痛、発熱、倦怠感、体重減少、いらいら感、しびれ、ジスキネジー、振戦、錯覚感、躁状態、幻覚、妄想、攻撃性、皮膚炎、アナフィラキシー様症状、かゆみ、早朝覚醒、抑うつ、QT延長、胸痛、肝機能障害、黄疸、肝不全
重大な副作用
皮膚粘膜眼症候群(スティーブンス・ジョンソン症候群)、過敏症状(発疹・関節痛などのアレルギー症状)