知っておきたい 『病院の薬』

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医療用医薬品成分

塩酸モルヒネ

解説

『塩酸モルヒネ』は、鎮痛剤、がん・腫瘍の薬 に用いられる医薬品成分です。

作用

中枢神経系に分布するオピオイド受容体(特にμ受容体とは完全アゴニスト)と結合する作用があるため、神経伝達物質であるノルアドレナリンとセロトニンの再取り込みを阻害して下行性痛覚抑制系を活性化し、強力な鎮痛効果を示します。もし効果が出にくい場合でも強作用性オピオイドで天井効果ないため、使用量を増やせば効果は高まり、効果はおよそ4~5時間で消失します。この成分は劇薬に指定されているため、注意深く使用しなければなりません。

使用上の注意

[使用してはいけない場合]

重度呼吸抑制、重度肝機能障害、心不全、出血性大腸炎、細菌性下痢、気管支喘息発作時、痙攣状態、急性アルコール中毒、アヘンアルカロイド過敏症

[慎重に使用すべき場合]

心機能障害、呼吸機能障害、肝機能障害、腎機能障害、脳の器質的異常、代謝性アシドーシス、甲状腺機能低下症、薬物依存の既往、排尿障害、尿道狭窄、器質的幽門狭窄、麻痺性イレウス、痙攣の既往、胆嚢障害、胆石、重度炎症性腸疾患、ショック状態、衰弱状態、尿管手術後、消化管手術後、ジドブジン使用者、妊婦

副作用

傾眠、錯乱、不安定感、不穏、意識障害、発汗、眼の調節障害、かゆみ、血圧変動、顔面紅潮、過敏症状(発疹など)、薬剤依存性、呼吸器障害、不整脈、食欲不振、吐き気、嘔吐、口の渇き、便秘、排尿障害、ねむけ、不眠、めまい、不安、興奮、血液障害、肝機能障害

重大な副作用

気管支けいれん、禁断症状、喉頭浮腫、呼吸抑制、錯乱、せん妄、中毒性巨大結腸、麻痺性イレウス、無気肺

本成分を用いた医薬品