アルカリフォスファターゼ
ALP
- 検体
- 血清
体内の組織に広く分布するリン酸エステルを無機リンとアルコールに分解する作用を持つ酵素「アルカリフォスファターゼ(ALP)」の値を測定する検査。
肝臓・小腸・骨・胎盤など、いろんな組織の細胞に存在し、細胞の障害により血液中に流出するが、臓器・組織特異性が低いため「アイソザイム」と呼ばれる分子構造が異なる酵素を用いて障害部位を推定する。
ALPアイソザイムとして、ALP1~ALP6の6種があり、様々な疾患の診断指標とする。
基準値
38~113 U/L (IFCC法の場合)
異常値を示す疾患
高値を示す疾患
- 甲状腺機能亢進症
- 肝内胆管結石
- 胆管炎
- 総胆管結石
- 胆嚢がん
- 骨ページェット病
- 骨肉腫
- 妊娠後期
- 卵巣がん
- 潰瘍性大腸炎
- 慢性腎不全
- 糖尿病
- 閉塞性黄疸
- 副甲状腺機能亢進症
- 慢性肝炎
- 急性肝炎
- 肝硬変
- 転移性肝がん
- 肝臓がん
- 肝膿瘍
- 肺がん
- 悪性腫瘍の骨転移
- 骨軟化症
- 骨粗鬆症
- 副甲状腺腺腫
- など
低値を示す疾患
- 先天性低フォスファターゼ症
- 甲状腺機能低下症
- 前立腺肥大
- など
- 基準値とは健常者の測定値を統計学的に処理した平均値であり、測定値は個人により差があるため「基準値=正常値」ということではありません。また基準値から外れた値は異常値と呼ばれますが、「異常値=罹患」を意味するものでもありません。ですから基準値を絶対視するのではなく、あくまでも検査の評価は医療機関の判断に委ねることが大切です。