乳酸脱水素酵素
LDH
、LD
- 検体
- 血清
体内の組織に広く分布するブドウ糖がエネルギーを生み出す際に作用する酵素「乳酸脱水素酵素(LDH、LD)」の値を測定する検査。
心臓・腎臓・肝臓・骨格筋など、いろんな組織の細胞に存在し、細胞の障害により血液中に流出するが、臓器・組織特異性が低いため「アイソザイム」と呼ばれる分子構造が異なる酵素を用いて障害部位を推定する。
LDHアイソザイムには、LDH1~LDH5の5種があり、各アイソザイムの上昇比較により、「肝臓がん」「急性肝炎」「心筋梗塞」「貧血」などの診断指標とする。
基準値
120~240U/L
異常値を示す疾患
高値を示す疾患
- 悪性貧血
- 慢性肝炎
- 心筋炎
- 間質性肺炎
- カリニ肺炎
- 腸閉塞(イレウス)
- 神経芽腫
- 骨肉腫
- 精巣がん
- 卵巣がん
- 脂肪肝
- 肝硬変
- 劇症肝炎
- 原発性肝がん
- 急性肝炎
- 溶血性貧血
- 急性腎不全
- 腎梗塞
- 膵臓がん
- 大腸がん
- 胃がん
- 肺塞栓症
- 肺がん
- 悪性リンパ腫
- 白血病
- 悪性腫瘍
- 筋ジストロフィー
- 多発性筋炎
- 心筋梗塞
- 子宮筋腫
- など
低値を示す疾患
- 先天性LDHサブユニット欠損症
- など
- 基準値とは健常者の測定値を統計学的に処理した平均値であり、測定値は個人により差があるため「基準値=正常値」ということではありません。また基準値から外れた値は異常値と呼ばれますが、「異常値=罹患」を意味するものでもありません。ですから基準値を絶対視するのではなく、あくまでも検査の評価は医療機関の判断に委ねることが大切です。