コルチゾール
- 検体
- 血漿
副腎の皮質から分泌されるステロイドホルモンの一種である「コルチゾール」の値を測定する検査。
コルチゾールは、タンパク質・脂質・糖質・電解質の代謝に関与する他、血圧調整、抗炎症作用など、生命の維持に重要な働きを担っており「アジソン病」や「クッシング症候群」など、代謝異常や副腎の機能異常により生じる疾患の診断指標とされる。
また、コルチゾールはストレスにより数倍に上昇するため、過剰なストレスにより多量に分泌された場合「心的外傷後ストレス障害(PTSD)」を引き起こすことがある。
基準値
6.2~19.4 μg/dL
異常値を示す疾患
高値を示す疾患
- 副腎がん
- 異所性ACTH産生腫瘍
- 異所性CRH産生腫瘍
- 糖質コルチコイド不応症
- うつ病
- クッシング病(Cushing 病)
- クッシング症候群(Cushing 症候群)
- など
低値を示す疾患
- アジソン病
- 先天性副腎皮質過形成
- ACTH不応症
- 視床下部性下垂体機能低下症
- ACTH単独欠損症
- リンパ球性下垂体炎
- シーハン症候群(Sheehan 症候群)
- など
- 基準値とは健常者の測定値を統計学的に処理した平均値であり、測定値は個人により差があるため「基準値=正常値」ということではありません。また基準値から外れた値は異常値と呼ばれますが、「異常値=罹患」を意味するものでもありません。ですから基準値を絶対視するのではなく、あくまでも検査の評価は医療機関の判断に委ねることが大切です。