性同一性障害診断検査
- 検査対象
- 性同一性障害
自分の実際の性別と自分の求める性別との間に強い違和感を持つ・性転換処理や手術を望む、などといった症状や病態を示す精神疾患「性同一性障害」を診断するための検査。
本人の主観および家族など周囲の人々による客観的観察により得られる情報をもとに、DSM(精神疾患の診断・統計マニュアル)・ICD(国際疾病統計分類)等の基準に基づき医師が問診、診察を行い診断が下される。
診断基準 DSM-5 「青年および成人の性別違和(Gender Dysphoria)」より
- A.その人が体験し、または表出するジェンダーと、指定されたジェンダーとの間の著しい不一致が、少なくとも6ヶ月、以下のうちの2つ以上によって示される。
- (1)その人が体験し、または表出するジェンダーと、第一次および/または第二次性徴(または若年青年においては予想される第二次性徴)との間の著しい不一致
- (2)その人が体験し、または表出するジェンダーとの著しい不一致のために、第一次および/または第二次性徴から開放されたい(または若年青年においては、予想される第二次性徴の発現をくい止めたい)という強い欲求
- (3)反対のジェンダーの第一次および/または第二次性徴を強く望む。
- (4)反対のジェンダー(または指定されたジェンダーとは異なる別のジェンダー)になりたいという強い欲求
- (5)反対のジェンダー(または指定されたジェンダーとは異なる別のジェンダー)として扱われたいという強い欲求
- (6)反対のジェンダー(または指定されたジェンダーとは異なる別のジェンダー)に定型的な感情や反応をもっているという強い確信
- B.その状態は、臨床的に意味のある苦痛、または社会、職業、または他の重要な領域における機能の障害と関連している。
- ▶ 該当すれば特定せよ
- 性別移行後:その人は自分の望むジェンダーとしての恒常的生活へ移行しており(法律上の性別の変更の有無を問わない)、少なくとも1つの医学的性転換処置、または治療計画、すはわち自分の望むジェンダーを確立させるための定期的な性転換ホルモン治療、または性別適合手術(例:出生時が男性の場合の陰茎切除や膣形成、出生時が女性の場合の乳房切除あるいは陰茎形成)を行った(または、準備している)。
- 基準値とは健常者の測定値を統計学的に処理した平均値であり、測定値は個人により差があるため「基準値=正常値」ということではありません。また基準値から外れた値は異常値と呼ばれますが、「異常値=罹患」を意味するものでもありません。ですから基準値を絶対視するのではなく、あくまでも検査の評価は医療機関の判断に委ねることが大切です。