不眠症診断検査
- 検査対象
- 不眠症
なかなか寝付けない・何度も目が覚める・朝早く覚醒する、などといった症状や病態を示す精神疾患「不眠症」を診断するための検査。
本人の主観および家族など周囲の人々による客観的観察により得られる情報をもとに、DSM(精神疾患の診断・統計マニュアル)・ICD(国際疾病統計分類)等の基準に基づき医師が問診、診察を行い診断が下される。
診断基準 DSM-5 「不眠障害(Insomnia Disorder)」より
- A.睡眠の量または質の不満に関する顕著な訴えが、以下の症状のうち1つ(またはそれ以上)を伴っている:
- (1)入眠困難(子どもの場合、世話する人がいないと入眠できないことで明らかになるかもしれない)
- (2)頻回の覚醒、または覚醒後に再入眠できないことによって特徴づけられる、睡眠維持困難(子どもの場合、世話する人がいないと再入眠できないことで明らかになるかもしれない)
- (3)早朝覚醒があり、再入眠できない。
- B.その睡眠の障害は、臨床的に意味のある苦痛、または社会的、職業的、教育的、学業上、行動上、または他の重要な領域における機能の障害を引き起こしている。
- C.その睡眠困難は、少なくとも1週間に3夜で起こる。
- D.その睡眠困難は、少なくとも3ヶ月間持続する。
- E.その睡眠困難は、睡眠の適切な機会があるにもかかわらず起こる。
- F.その不眠は、他の睡眠-覚醒障害(例:ナルコレプシー、呼吸関連睡眠障害、概日リズム睡眠-覚醒障害、睡眠時随伴症)では十分に説明されず、またはその経過中にのみ起こるものではない。
- G.その不眠は、物質(例:乱用薬物、医薬品)の生理学的作用によるものではない。
- H.併存する精神疾患および医学的疾患では、顕著な不眠の訴えを十分に説明できない。
- 基準値とは健常者の測定値を統計学的に処理した平均値であり、測定値は個人により差があるため「基準値=正常値」ということではありません。また基準値から外れた値は異常値と呼ばれますが、「異常値=罹患」を意味するものでもありません。ですから基準値を絶対視するのではなく、あくまでも検査の評価は医療機関の判断に委ねることが大切です。