知っておきたい 『病院の検査』

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限局性恐怖症診断検査

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検査対象
限局性恐怖症

高所・閉所・虫・注射・血液等に対する顕著な恐怖や不安、などといった症状や病態を示す精神疾患「限局性恐怖症」を診断するための検査。
本人の主観および家族など周囲の人々による客観的観察により得られる情報をもとに、DSM(精神疾患の診断・統計マニュアル)・ICD(国際疾病統計分類)等の基準に基づき医師が問診、診察を行い診断が下される。

診断基準 DSM-5 「限局性恐怖症(Specific Phobia)」より

  • A.特定の対象または状況(例:飛行すること、高所、動物、注射されること、血を見ること)への顕著な恐怖と不安
  • 注:子どもでは、恐怖や不安は、泣く、かんしゃくを起こす、凍りつく、または、まといつく、などで表されることがある。
  • B.その恐怖の対象または状況がほとんどいつも、即時、恐怖や不安を誘発する。
  • C.その恐怖の対象または状況は、積極的に避けられる、または、強い恐怖や不安を感じながら耐え忍ばれている。
  • D.その恐怖または不安は、特定の対象や状況によって引き起こされる実際の危険性や社会文化的状況に釣り合わない。
  • E.その恐怖、不安、または回避は持続的であり、典型的には6ヶ月以上続いている。
  • F.その恐怖、不安、または回避が、臨床的に意味のある苦痛、または社会的、職業的、または他の重要な領域における機能の障害を引き起こしている。
  • G.その障害は、(広場恐怖症にみられるような)パニック様症状または他の耐えがたい症状;(強迫症にみられるような)強迫観念と関連した対象または状況;(心的外傷後ストレス障害にみられるような)心的外傷的出来事を想起させるもの;(分離不安症にみられるような)家または愛着をもっている人物からの分離;(社交不安症にみられるような)社会的場面、などに関係している状況への恐怖、不安、および回避などを含む、他の精神疾患の症状ではうまく説明されない。
  • ▶ 該当すれば特定せよ
  • 動物(例:クモ、虫、犬)
  • 自然環境(例:高所、嵐、水)
  • 血液・注射・負傷(例:注射針、侵襲的な医療処置)
  • 状況(例:航空機、エレベーター、閉所)
  • その他(例:窒息や嘔吐につながる状況;子どもでは大きな音や着ぐるみ)
  • 基準値とは健常者の測定値を統計学的に処理した平均値であり、測定値は個人により差があるため「基準値=正常値」ということではありません。また基準値から外れた値は異常値と呼ばれますが、「異常値=罹患」を意味するものでもありません。ですから基準値を絶対視するのではなく、あくまでも検査の評価は医療機関の判断に委ねることが大切です。