タンパク分画
PR-F
- 検体
- 血清
血清中に含まれるタンパク質は、そのほとんどが「アルブミン」と4種類の「グロブリン」で構成されているため、その増減や構成比率を見ることにより、「総タンパク検査」だけでは診断の付かない疾患の種類を絞り込むことが可能となる。
血清タンパク分画は「肝臓疾患」「心臓疾患」「自己免疫疾患」「悪性腫瘍」などの診断指標とされる。
基準値
アルブミン | 60~71.4% |
---|---|
α1グロブリン | 1.9~3.3% |
α2グロブリン | 5.7~9.7% |
βグロブリン | 6.9~10.7% |
γグロブリン | 10.5~20.3% |
異常値を示す疾患
γグロブリン低値を示す疾患
アルブミン高値
- 脱水
- 熱中症
- など
α1グロブリン高値
- 慢性炎症性疾患
- ストレス
- 悪性腫瘍
- 急性感染症
- 慢性感染症
- 外傷
- 心筋梗塞
- 心不全
- 自己免疫性疾患
- 膠原病
- 全身性エリテマトーデス
- 関節リウマチ
- 低蛋白血症
- など
α2グロブリン高値
- 慢性炎症性疾患
- ストレス
- 悪性腫瘍
- 急性感染症
- 慢性感染症
- 外傷
- 心筋梗塞
- 心不全
- 膠原病
- 全身性エリテマトーデス
- 関節リウマチ
- など
βグロブリン高値
- 妊娠
- 脂質代謝異常
- 溶血
- など
γグロブリン高値
- 多発性骨髄腫
- マクログロブリン血症
- 本態性M蛋白血症
- 慢性感染症
- 悪性腫瘍
- 慢性肝炎
- 劇症肝炎
- 肝硬変
- 膠原病
- 全身性エリテマトーデス
- 関節リウマチ
- 慢性炎症性疾患
- など
γグロブリン高値を示す疾患
アルブミン低値
- 肝硬変
- 急性感染症
- 悪性腫瘍
- 慢性炎症性疾患
- 急性炎症
- 血栓症
- 心不全
- 妊娠
- 膠原病
- 心筋梗塞
- 外傷
- 本態性M蛋白血症
- 劇症肝炎
- マクログロブリン血症
- 多発性骨髄腫
- 蛋白漏出性胃腸症
- 慢性腎炎
- 栄養障害
- 吸収不良症候群
- 腎不全
- ネフローゼ症候群
- 慢性肝炎
- 低蛋白血症
- など
α1グロブリン低値
- 慢性肝炎
- 劇症肝炎
- 肝硬変
- 急性肝炎
- など
α2グロブリン低値
- 慢性肝炎
- 急性肝炎
- 劇症肝炎
- 肝硬変
- 低蛋白血症
- など
βグロブリン低値
- 肝硬変
- 多発性骨髄腫
- マクログロブリン血症
- 本態性M蛋白血症
- 慢性感染症
- 悪性腫瘍
- 膠原病
- 腎不全
- 低蛋白血症
- 慢性肝炎
- 急性肝炎
- など
γグロブリン低値
- 悪性リンパ腫
- 悪性腫瘍
- 白血病
- 多発性骨髄腫
- エイズ
- 低蛋白血症
- 無(低)γ-グロブリン血症
- など
- 基準値とは健常者の測定値を統計学的に処理した平均値であり、測定値は個人により差があるため「基準値=正常値」ということではありません。また基準値から外れた値は異常値と呼ばれますが、「異常値=罹患」を意味するものでもありません。ですから基準値を絶対視するのではなく、あくまでも検査の評価は医療機関の判断に委ねることが大切です。