リン
P、IP
- 検体
- 血清
血清に含まれる「リン(P)」の濃度を調べる検査。
リンは、細胞膜の成分・エネルギー代謝・酸塩基平衡の調節・糖代謝の促進などの役割を持つため、その濃度の変化はそれらの異常を招く疾患の診断指標となる。
基準値
2.5~4.5mg/dL
異常値を示す疾患
高値を示す疾患
- 副甲状腺機能低下症
- 腎不全
- ビタミンD過剰症
- 末端肥大症
- 重症溶血症
- 糖尿病性アシドーシス
- 甲状腺機能亢進症
- 横紋筋融解症
- 慢性腎炎
- 巨人症
- など
低値を示す疾患
- 副甲状腺機能亢進症
- ビタミンD欠乏症
- 尿細管性アシドーシス
- 吸収不良症候群
- 呼吸性アルカローシス
- 骨軟化症
- 副甲状腺腺腫
- 異所性副甲状腺ホルモン産生腫瘍
- ファンコニ症候群(Fanconi 症候群)
- など
- 基準値とは健常者の測定値を統計学的に処理した平均値であり、測定値は個人により差があるため「基準値=正常値」ということではありません。また基準値から外れた値は異常値と呼ばれますが、「異常値=罹患」を意味するものでもありません。ですから基準値を絶対視するのではなく、あくまでも検査の評価は医療機関の判断に委ねることが大切です。