アミラーゼアイソザイム
- 検体
- 血清
炭水化物を分解する消化酵素「アミラーゼ」には分泌器官の違いにより、プチアリンという唾液腺由来の[S型]とアミロプシンという膵臓由来の[P型]の分子構造が異なる2種類の酵素(アイソザイム)が存在するため、その割合を調べることでアミラーゼ検査だけでは不十分な疾患の絞り込みを行う検査。
「膵臓疾患」や「唾液腺の異常」「アミラーゼ産生腫瘍」などの診断指標となる。
基準値
S型 | 33.3~70.5% |
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P型 | 29.5~66.7% |
異常値を示す疾患
P型低値を示す疾患
S型高値
- 耳下腺炎
- おたふく風邪
- 唾液腺導管閉塞
- アミラーゼ産生腫瘍
- 唾液腺炎
- 術後高アミラーゼ血症
- など
P型高値
- 急性膵炎
- 慢性膵炎(急性増悪期)
- 膵嚢胞
- 膵管閉塞
- 膵臓がん
- など
P型高値を示す疾患
S型低値
- 唾液腺摘出後
- シェーグレン症候群(Sjögren 症候群)
- など
P型低値
- 膵臓切除後
- 膵臓がん(末期)
- 慢性膵炎(末期)
- など
- 基準値とは健常者の測定値を統計学的に処理した平均値であり、測定値は個人により差があるため「基準値=正常値」ということではありません。また基準値から外れた値は異常値と呼ばれますが、「異常値=罹患」を意味するものでもありません。ですから基準値を絶対視するのではなく、あくまでも検査の評価は医療機関の判断に委ねることが大切です。