処方構成（この漢方方剤を構成する生薬の組み合わせ）
| 生薬名 | 原材料と加工法 |
|---|---|
| 楓香脂ふうこうし | フウ科フウ属フウの樹脂 |
| 制草烏せいそうう | 加工したキンポウゲ科トリカブト属ホナガウズの母根 |
| 醋霊脂さくれいし | 米酢とともに炒った、リス科のミミゲモモンガ属ミミゲモモンガおよびモモンガ属タイリクモモンガなどの糞便 |
| 地竜じりゅう | ツリミミズ科ツリミミズ属カッショクツリミミズ、あるいは内容物を除いたフトミミズ科フトミミズ属タイワンシュウヘンミミズ |
| 木鼈子もくべつし | ウリ科ウルレイシ属ナンバンカラスウリの成熟種子 |
| 醋乳香さくにゅうこう | 米酢とともに炒った、カンラン科ボスウェリア属のカルテリイおよび同属植物の樹木から滲出した膠状樹脂 |
| 醋没薬さくもつやく | 米酢とともに炒った、カンラン科ミルラノキ属ミルラノキなどの樹木から滲出した膠状樹脂 |
| 酒当帰しゅとうき | 酒とともに炒ったセリ科シシウド属のカラトウキまたはニホントウキの根 |
| 麝香じゃこう | ジャコウジカ科ジャコウジカ属のシベリアジャコウジカ・コビトジャコウジカ・ヤマジャコウジカの雄が持つ香嚢からの分泌物 |
| 香墨こうぼく | 松煙から採取した煤を香料と膠で練り固めた物 |
適応疾患および対象症状
頸部リンパ節腫、乳がん、乳腺がん、乳腺症、乳腺線維腺腫、鼠径リンパ節腫、甲状腺腫、関節の腫れ
薬理作用
消腫作用、抗癌作用、鎮痛作用、血行改善
東洋医学的弁証（この方剤が対象とする、東洋医学の診断に基づく疾患および症状）
陰疽腫脹、痰気凝滞、癭瘤瘰癧、梅毒横痃、乳岩乳癖、関節腫大
治法・治療原則（この方剤が持つ、東洋医学的治療法と治療原則）
消痰化堅、活血止痛、消腫散結、化瘀止痛
- 『方剤種別』については、複数の漢方方剤種別に属する方剤もあるが、当該方剤の薬理作用が最も顕著にあらわれる漢方方剤種別に基づき、単一の方剤種別に属させている。
- 『東洋医学的弁証』および『治法・治療原則』については、中医用語に精通していない一般の方を考慮し、あえて重複表現を一部用いている。
- 『適用疾患および対象症状』については、当該方剤が直接的に効力を示す疾患・症状に加え、間接的に効力を示す疾患・症状についても併記している。
- 『この方剤の持つ「薬理作用」』については、当該方剤の直接的な薬理作用に加え、間接的な薬理作用についても併記している。