処方構成（この漢方方剤を構成する生薬の組み合わせ）
| 生薬名 | 原材料と加工法 |
|---|---|
| 明天麻めいてんま | 外皮を除いたラン科オニノヤガラ属オニノヤガラの塊茎 |
| 川貝母せんばいも | ユリ科バイモ属キルロサなどの鱗茎 |
| 姜半夏きょうはんげ | 水浸後に生姜・ミョウバンと煮て外皮を除いたサトイモ科ハンゲ属カラスビシャクの塊茎 |
| 茯苓ぶくりょう | 外層を取り除いたサルノコシカケ科ウォルフィポリア属マツホドの菌核 |
| 茯神ぶくしん | 松根周囲の外層を取り除いた内部が白色のサルノコシカケ科ウォルフィポリア属マツホドの菌核 |
| 胆南星たんなんしょう | 牛、羊あるいはイノシシの胆汁を混ぜたサトイモ科テンナンショウ属のテンナンショウ、アムールテンナンショウ、マイヅルテンナンショウなどの同属植物の塊茎 |
| 石菖蒲せきしょうぶ | ショウブ科ショウブ属セキショウの根茎 |
| 全蝎ぜんかつ | キョクトウサソリ科ブサス属キョクトウサソリ |
| 僵蚕きょうさん | バッカクキン科ボーベリア属ハクキョウビョウキンの感染により硬直死したカイコガ科カイコガ属カイコガの幼虫 |
| 琥珀こはく | マツ科植物などの樹脂が化石化してできた琥珀 |
| 陳皮ちんぴ | ミカン科ミカン属のウンシュウミカン、コウジ、タンジェリン、コベニミカンおよび同属植物の成熟果皮 |
| 遠志おんじ | ヒメハギ科ヒメハギ属イトヒメハギの根 |
| 丹参たんじん | シソ科アキギリ属タンジンの根 |
| 麦冬ばくどう | キジカクシ科ジャノヒゲ属ジャノヒゲの塊根 |
| 辰砂しんしゃ | 辰砂鉱石 |
| 甘草かんぞう | マメ科カンゾウ属のウラルカンゾウおよび同属植物の根・走出茎 |
| 竹瀝ちくれき | イネ科マダケ属ハチクおよび同属植物を加熱して流れ出た液汁 |
| 姜汁きょうじゅう | ショウガ科ショウガ属ショウガの根茎の絞り汁 |
| 灯草とうそう | イグサ科イグサ属イグサの全草または茎の髄 |
適応疾患および対象症状
てんかん、筋肉の痙攣、喘鳴、痰のからみ、顔面神経麻痺、意識障害
薬理作用
意識回復、精神安定、去痰作用、止痙作用、呼吸改善、運動改善
東洋医学的弁証（この方剤が対象とする、東洋医学の診断に基づく疾患および症状）
痰熱内擾、癲癇抽搐、喉中痰鳴、口眼歪斜、叫喊連声
治法・治療原則（この方剤が持つ、東洋医学的治療法と治療原則）
豁痰開竅、熄風定癇、滌痰熄風、熄風鎮驚
- 『方剤種別』については、複数の漢方方剤種別に属する方剤もあるが、当該方剤の薬理作用が最も顕著にあらわれる漢方方剤種別に基づき、単一の方剤種別に属させている。
- 『東洋医学的弁証』および『治法・治療原則』については、中医用語に精通していない一般の方を考慮し、あえて重複表現を一部用いている。
- 『適用疾患および対象症状』については、当該方剤が直接的に効力を示す疾患・症状に加え、間接的に効力を示す疾患・症状についても併記している。
- 『この方剤の持つ「薬理作用」』については、当該方剤の直接的な薬理作用に加え、間接的な薬理作用についても併記している。